観光ルートを外れて
秋分の日の翌日の日曜、その辺をドライブがてらお蕎麦でも、と出かけてきました。
何せ新蕎麦の時期ですし!
とは言っても私は、
最初は何もつけず味わい、次はつゆを先の方にほんのちょっとつけ、ズズッと小気味よくすすり、鼻に抜ける香りから「これぞ新蕎麦、やっぱり違うねぇ!」
とか言える、違いが分かる人間ではありません。安い乾麺でも普通に美味しくいただいています。
でも今は、近隣で新蕎麦が収穫され、味わえるのだから食べたらいいんじゃないの〜? と、いうことで…。
旭川市自体も全国3位というソバの産地ではありますが、そこは全国で1位という地位にある町が近隣にありますので、リスペクトを持ってそこへ行ってみましょう!
※第1位と3位の話が出たので、2位にも触れておきます。これも旭川からすぐ近くにある深川市です。この辺りの気象は寒暖の差が激しいことがあげられますが、それがソバの生育条件に合っているようです。
ソバの生産量全国1位、幌加内町は旭川からおよそ1時間、人口は2015年調べで1500人ほどの、北海道で最も人口が少ない「町」です。
同じく2015年の国勢調査では、日本一人口密度の低い町であり、「村」も含めた中でも全国3位の人口密度の低さとなっています。
特産のソバの作付面積・収穫量は共に日本一、少ない人口なのに日本一とはすごいですね!
旭川市から幌加内町へ行くには、基本、旭川市の「江丹別」という地域を通ります。こちらもソバの生産地で「江丹別そば」というブランドを持ち、旭川市のソバの生産量、全国第3位の大きなウェイトを占めていると思われます。
余談ですが、冬の一番厳しい頃、ニュースで「今日の冷え込みは厳しく旭川で-30℃」などと言われ、鼻水が凍り背中から湯気を立ちのぼらせるホルスタインが映るのは、この江丹別地域がほとんどです。
旭川市街からはかなり離れているため、旭川中心部は、江丹別+5℃はあると思われますので、旭川市街に住む人間は、ウチはそこまで寒くないぞ!と思っているような気がします。
観光地ではない江丹別・幌加内ルートのドライブは、山道とソバ畑の景色以外、ほとんどないと言ってもいいと思います。
美瑛・富良野方面へのドライブは「陽」な感じがするのに比べ、ちょっと「陰」の気配というか…。
人口も少ないし、観光地化されていないので当然なんですけれどね。
でもそれが鄙びた趣きとなって、初秋のドライブとして悪くありません。
というか私、お蕎麦を食べる以外の目的もあるんですよ。
それは「ソバを刈ったあとの畑の景色」
株元だけになったソバ畑は、赤とか朱色、、ピンク色というか、そういった色になっていて、キレイだな〜、と常々思っているのですが、あまり誰からもそういった感想を聞いたことがありません。
なので写真を載せてもあまり共感は得られないかもしれませんが、勝手に貼っていきたいと思います!よろしくお願いします♪
エノコログサが揺れて秋らしい
ちなみに刈る前のソバ畑はこちら
立ち枯れてざわわな感じ
少なめですが、稲作もされていました
これは稲を刈り取ったあとでしょうか
偶然、電線にとまる鳥が写りこんでいました。
トンビかな?と思ったのですが、少し小さめなのと胸のあたりが白いので、ノスリかもしれません。
妖精が住んでいそうなバス停
最初はバス停だと気付かなかったのですが、ドアの真上にちゃんとバス停の丸い看板が付いています。
冬の厳しいこの地域では、本数も少ないでしょうし、中に入って待てる停留所でないと命に関わりますので、こういう形なのではないかと推測します。
展望台と名のつく場所があったので、車を入れて眺めてみます
重い丸太を運ぶ馬のオブジェ
素朴で可愛い
可愛いんだけど、
全然違うかもしれませんがこの馬を見て、何かで読んだ中世の拷問道具を思い出しました。金属で出来た牛の中に入れられ炙られる、みたいな。
爽やかな秋の空の下、爽やかじゃない妄想をしながら、お蕎麦屋さんを探します。
幌加内町には数件、お蕎麦屋さんがあるのですが、ココ!とは決めずにやってきて、しかももう午後2時半を過ぎています。
最初に行ってみたところは人気があるらしく、店の外にお客さんが待っていたのですが、残念、その人たちでお蕎麦は終了とのことでした。
駐車スペースには札幌ナンバーの赤いフェラーリと黄色いコルベットが停まっています。札幌から新蕎麦を食べに来たお金持ちでしょうか。
私たちがちんたら他の店に向かって走っている横を、猛スピードでぶっこ抜いていきました。
ケーサツの人〜、お仕事ですよー、追いつけないけど。
もう午後3時もとうに過ぎた頃、ようやく辿り着いたお店でお蕎麦をいただきました。
ソバの実の天かまが乗った冷やしそばと、天かま付きざるそばをオーダー
辛めのスッキリした感じのつゆでした。
蕎麦は、新蕎麦なのは間違いないのですが私の舌ではやはり違いがわからず、自分の味覚センサーにガッカリです(´-ω-`)
ソバの実を使った天かまも、美味しいのですがこれまた違いがあまりわからず…ダメだコリャ。
そば湯が一番、蕎麦の風味を感じたあたり、蕎麦を食べる才能がないのでしょう。
お蕎麦自体は美味しかったですよ!
お蕎麦を食べたので、またソバが刈り取られた畑を見ながら家路につきます。
江丹別まで戻ってきたので『Cow&Calf(カウ&カーフ)』さんに寄って、ちょっと有名なチーズを買って帰ります。
JAL国際線のファーストクラスにも採用された、ごく少数しか生産されない青カビのチーズです。
ブルーチーズは普段あまり食べないのですが、とても評判が良いので一番小さいサイズを購入してみました。
元々が牧場なので、そこで作られているソフトクリームのミニサイズをお願いして、牛たちを眺めながら食べることに
いろいろな模様の牛が、平和に草を食んでいました。
キミたちの牛乳で作ったソフトクリーム、美味しかったよー。
あとは幌加内の道の駅で買った、お土産の新蕎麦を持って義実家に行けば、今日のドライブは終了です。
行ってみると、ちょうどいいところに来たわ〜と、義母が出してきたのは大量の鮭といくら醤油漬け
増毛町の親戚が、鮭1本と筋子4腹を持ってきたとのこと。いつもこの親戚の人のお土産は豪快なのです。
かなり大きな鮭で、捌くのに2時間くらいかかったと言っていました。
私たちはありがたく、あとは食べるだけの状態になった切り身と醤油漬けをいただいて帰ります。
ザックザックとスプーンでいくらをすくってもらいます。ありがたや〜。
新蕎麦1パックでこの収穫、さすが秋!
さあ、実りの秋を楽しむとしましょうか。