特権階級
今年は雪が多いですこと。
うちも今、召使いのセバスチャン(仮名)が屋根から落ちた雪を片付けてるの。
この寒いのに、労働者階級はかわいそうねぇ。
でも仕方ないわよね。
だって私の白くて可愛い手で雪かきなんてさせられないでしょ?
この白い絹の手袋が汚れちゃう!
猫に生まれて良かった♪
あら、セバスチャンはどこへ行ったのかしら。
(まりもお嬢さま、肩が逞しくてらっしゃる…)
いたいた。鉄のスコップを取りに行ってたのね。屋根雪は締まって固いから。
※スコップとシャベル、地域によって呼び方が違うそうですね。ウチは大きいのがスコップ、小さい手持ちするものがシャベル…かな?どっちでも通じますが。
おほほ、しっかり働くんですのよ〜。
‼
なんか私の方に雪投げてきた!
もしやクーデター⁉︎
忠臣だと思っていたのになんてこと!
おのれセバスチャン…許さなくてよーーー!
「一人芝居楽しい?」
シーッ!のんたん、楽しいみたいだからそっとしておいてあげて!
あれ、まりちゃん、もうおしまい?
「気分害したからお城へ帰るの!」
まりもお嬢さまのお城、すんごいボロいっすね。
「由緒正しい古城なのよ!ほっといて。」
まあまあ、機嫌直して。少し遊ぶ?
………。
「遊ぶ♪」 単純でいいねぇ、まりちゃん。
「それとねーぇ、」
「そろそろ新しいお城、作ってよね。ボロ過ぎなの!」
ははっ、いいダンボールが手に入りましたら必ずや。
いやあ、お猫さまには抗えませんなあ。
はっはっは。
………ふう。
(少し静かにしてくれる?)
あっ、す、すみませんデシタ…。