庭焦げる 〜2021夏の庭だより③〜
暑いですね。
いつもの夏なら、
「北海道に住んでるくせに暑いとか軟弱な!」
という風に思われやしないかと、ブログでは使い方にビクビクと気を使っていた「暑い」というワード(被害妄想)。
さすがに今年は胸を張って使ってもいいでしょうか?
「許す」
今日は8/2、内陸の我が旭川市で21日連続の真夏日、過去133年の旭川の観測記録で初めてのことだそうです。
最近は毎日34〜36℃くらいになりますので、エアコン普及率の低い北海道としてはなかなかシャレになりません。
我が家は10年くらい前に、飼っていた犬が年を取り弱ってきたのを機にエアコンを導入しました。
それからはもうエアコンさまさまで、今やエアコンなしの暮らしは考えられないほどお世話になっています。
昔は
「暑くても大変なのは1週間くらいだから」
そう言われ、実際そのくらいで済むのでエアコンが欲しいとまでは思わずに暮らせていました。
むしろ暑い日は、やっと夏らしい夏キタ!とばかりに子ども時代は喜び勇んでプールや水遊びを楽しんだものです。
冷夏の年だと、「ちびまる子ちゃん」の藤木君並みに唇が紫になりながらのプールや海水浴だったので、子ども〜若者時代は冷夏よりも暑い夏の方が嬉しかったです。
さて。
そんな猛暑続きの最近でも、カラッとした北海道らしい暑さの日が多いのがせめてもの救いと言えば救い…
ではありますが、暑さ以上に困ったことが。
それは
雨が全然降らない。
先日、旭川の一部や近隣の町には警報が出るほどの雨が一時降ったようですが、我が家方面には1滴も降らず。
そんなぁ。
イジワルしないでウチにも降ってよ。
「神さまってさぁ、イジワルだよね」まりちゃんもね…
私が家の中に鉢植えなども殆ど置かず、植物は地植えしかしないのには明確な理由があります。
それは基本水遣りをしなくても良いということに尽きます。
ええ、何せホントにめんどくさがり屋なので。
水遣りをするのは、宿根草のスキマに植えたミニトマトやら大葉やらバジルなんかの夏野菜苗、新しく買った花の苗などが根付くまでで、あとは大抵そのままお天道様任せで済んでいました。
しかしながら今年はさすがにマズイ。
雑な扱いには慣れているはずの我が家の植物が夜な夜な枕元に立ち、
アツイ...アツイヨ...
シンジャウヨ.....(⌍꒪д꒪⌌)
そう耳元で囁き続けるので、すっかり怯えた私は最初はジョウロで数日間、ヒイコラヒイコラ何度も往復。
数日後ジョウロでの運搬に限界を感じたワタシは、何年も前に持ち手から激しく漏水するため物置の奥に押し込んであった水撒きホースを引っ張り出し、部品交換と応急処置で何とか使えるように。
そう。
何年も水撒きホースなんぞ必要なかったのに、今年は水遣りをしなければ庭の植物全滅の危機だったのです。
時に皆さま、前回登場した陽気なお兄さんを覚えていらっしゃいますか?
オリエンタル・ポピーの花びらが落ちた後の「楽しくいこうぜ!」の、あのグリーン・ナイスガイ君を。
「やあ!」
オリエンタル・ポピーは花びらが落ちた後の姿も面白いので、毎年しばらくはそのまま観賞用に残しています。
ちょっとコワイかも
しかし今回の猛暑の少し前にはもう、あのみずみずしいグリーンのナイスガイが見る影もなく変わり果てた姿に。
※やや閲覧注意
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あの明るく陽気だったお兄さんの変わりよう。
怨嗟の表情が、この夏の過酷な経験を物語るようです。ちなみに今回は目や口を描き込む加工は施しておりません
この姿は連続猛暑記録の前ですので、お兄さんの変わりようは今現在の暑さとは直接の関係はありません。
が、その後あっという間に下葉も黄色く枯れ込んでしまったので来年はどうなりますか。
オリエンタル・ポピーは丈夫なので、全く出ないということはないかと思いますが、他の植物も弱々しいものが散見されますので、来春は芽を出してくれないものもあるかもしれませんね。
こんな様子ですので、今現在の庭の姿はあまり見目麗しいとは言えません。
ここ数年、花びらがすぐ食べられてしまうエキナセア
前回の記事、満開のバラが終わってから静けさを取り戻した庭は、その後宿根草へと舞台を譲りました。
そこへこの猛暑です。
今はもう散ってしまったり、そもそも暑さでまともに咲かなかったりグダッたりしてしまったものが多いので、今回は綺麗だった頃の写真を貼っておきますね!
では。
モナルダ・パープルと蜜を吸うイチモンジセセリ。今年はイチモンジセセリが多かった気がします。
蛾に間違われがちですが(私も以前そう思っていました)蝶です。
よく見るととても可愛い顔をしていますが、幼虫がイネを食害するため害虫扱いされることもあるようですね。
モナルダ・パープルとペンステモン・ジングルベル、何となく混ざって咲いています。
一時ほとんど咲かなくなったペンステモン・ジングルベルですが何故か最近調子を盛り返してきました。
アリウム「丹頂」、当初はバラのシャルロット・オースチンと一緒に咲いたらいいかな?と思って植えましたが、バラと花期がズレているようで共に咲き揃うことはありません笑
我が家の庭は、人目につく(と言っても人通りはまばらです)前面、道路際が一番充実していないという残念な作りになっています。
道路際のプンゲンストウヒの周りは植物の生育があまり良くなく、更に細かい木の根が周囲に張り巡らされていて新しい苗を植えても大抵すぐダメになってしまうのです。
そんな中、勝手に増えて広がってくれるのがこのアルケミラ・リトルレディ。
黄色い小花が集まって咲き、ふわふわとした情景を作ります。
よく見かけるアルケミラ・モリスよりも小さいタイプです。
庭の初期、道路際プンゲンストウヒの側に植えたものが今もずっと元気でいてくれてありがたや。
雨が降ると水を弾く性質の葉の上に乗った雨粒がコロコロと転がる様子が綺麗です(雨粒写真ナシ)殺風景な庭の前面1列をもうすぐ覆ってくれそうです。
今や暑さですっかりショボショボになってしまった、シャスタデイジー・オールドコートの在りし日の姿。
デルフィニウム・ギネバー。
比較的短命な宿根草と言われるデルフィニウムですが、このギネバーはずいぶん長く頑張ってくれています。
しかし今年は経年のせいなのか暑さのせいなのか、背丈は私のお腹あたりで花数も少なかったです。
全盛期は背丈も私くらい、大きな花穂が重さに耐えられないほどでしたが今年はこじんまり。
来年も出てきてくれるでしょうか。
ハニーサックル(ロニセラ)。
毒キノコのカエンタケ風に花が開いてきますが、こちらはおどろおどろしさはなく可愛らしいです。
アキレア・ノブレッサ。
愛らしい白い小花がたくさん咲きます。
八重の矮性アルセア2種(タチアオイ)
矮性の名の通り、よく見かける天を衝くような大きさではなく、腰くらいのほど良い大きさです。
赤い方は本当はもう少し深く濃いピンク寄りの色なのですが、私の技術不足でどうも本来の色に写らず残念。
アナベル。
この写真は咲き始めのグリーンから白へ変化した頃ですが、今はまた咲き終わりのグリーンを帯び始めています。例年より花の玉の大きさが小さく感じます。
これも暑さが関係しているのかしらん?
ヘリオプシス・バーニングハーツ。
何となくシャスタデイジーの近くに植えたのですが、どちらも生育旺盛なのでギュウギュウにおしくらまんじゅうしながら生えています。
ルリタマアザミ(白)
ルリタマアザミ(紫)
種類なのか植え場所なのか、白の方が先に咲きます。
紫の方はあちこちから新しい芽を出して範囲を広げようとしますが、白はあまり増えようとしません。
勝手な憶測ですが、アルビノなど自然界の白いタイプは一般的に弱いイメージがあるので、繁殖力の違いはそこなのかしら?なんて思ったり。
夕方のルリタマさんシルエット、何かのヒーローっぽい
ノリウツギとプンゲンストウヒの影で、ひっそりいくつか花をつけるクナウティア・マケドニカ。場所が悪くて申し訳ない我が家の植物のひとつです。
これも今年あまり生育の良くなかったベロニカ・ピンクダマスク。花が少なかったです。
白のベロニカもイマイチでした。
花が少ないのは前述のように他にもあって、毎年たくさん咲いてスキあらば勢力を広げようとするヘリオプシス・ブレッシングハムダブロンも今年は背丈も小さく、また花数を減らしました。ただ、このヘリオプシスは勢力旺盛な時期にジューンベリーの株元にも入り込んだのですが、そこのものは葉が変異して斑入りに。↑は7月アタマの頃の斑入りヘリオプシスの写真ですが、既に水枯れの兆候が出ていますね。
小さな庭でも少しずつ植物が変化していくのは面白いです。
生育が良くないといえば、去年豊作だったブルーベリーも今年は不作のようです。ちょっと残念ですが、去年の豊作と今年の暑さで一休みといったところでしょうか。
花が少なかった割にはたくさん実ったジューンベリー。
枝がたわむほどでしたので、さぞかし小鳥たちが喜ぶだろうとやってくるのを待っていましたが、これも暑さのせいなのか他にもたくさん食べるものがあるからなのか、あまり姿を見せてくれないうちにすっかりドライジューンベリーに。
小鳥は来ないのに、近所を縄張りにしているカラスたちが一度に5羽も木に潜り込んで、枝を盛大に揺らしながら食べているのを見た時はちょっと笑ってしまいました。
まぁ、ドライのまま木に残ったのを、餌の少ない冬場に食べにくる鳥もいますからね。
まぁそれはそれでヨシ!ということで(現場猫精神)。
「ヨシ!」
とにかく特別に暑いこの夏。
そもそも暑すぎて咲かない、咲いてもすぐにダメになってしまう今時期の宿根草に比べ、初夏の時期に咲くことが出来たバラはとてもラッキーでした。
昔から
「北海道はお盆が過ぎれば夏は終わり」
と言われ、涼しくなるのが常でしたが(ヘタすると寒くなる)今年はどうでしょうか。
冷夏だとせっかくの夏なのに物足りないと言い、暑いと早く涼しくなれと文句を言う。
己が身勝手さに苦笑しています。
そしてこの猛暑によるピンチで、果たして次回の庭だより④は無事書き上げることは出来るのか!?
答えはわからぬまま天を仰いでおります。
皆さまもどうぞお身体をお厭いくださいませ。
それではまた次回、よろしくお願いいたします。
天を仰いだ先には現場猫、もとい猫神さまの姿が