生きのびるという意志
『ソープワート』または『サポナリア』
和名でシャボンソウ
その名の通り、昔のヨーロッパでは洗剤として利用されていた有用な植物です。
今でも自然派シャンプーや、博物館の骨董の繊維製品の洗浄に使われているそうで、全草に含まれる『サポニン』という成分が界面活性作用を示すことで泡立ち、洗浄剤になる仕組みです。
サポニンという成分はサプリメントでもよく耳にしますね。調べてみるとなかなかの実力者である事がわかります。
一重咲きのソープワートは、野生化するほど性質が強く、やせ地でほったらかしでも育つという触れ込みの、我が家にはうってつけの植物と思われました。
実際、庭で勢力を広げかけていましたが、株元にエキナセアのこぼれ種が入り込み成長、それで力を削がれたのかわかりませんが、それ以上はあまり広がりませんでした。※憶測です
と言うよりエキナセアの方が優勢になり、ソープワートはどんどん小さくなっていきます。
(野生化する、やせ地でも育つと聞いたのに案外ナイーブなんだな…)
過去の見取り図を見てみると、ソープワートの所に殴り書きの自分のコメントを見つけました。
「死?エキナセアがいるっぽい」
「エキナセアにのっとられる」
と記入してありました。
穏やかではありません。
庇を貸して母屋を取られる、とはまさにこの事
一応、季節が来れば元々咲いていた辺りに頼りない姿でちらほらと現れますが、背も高くならず花もほとんど咲きません。
3〜4年そのような状態で、もう消えてしまうんだなと諦めていました。
しかしソープワートは諦めていなかった!
そろりそろりと一歩づつ、西の方にあるわずかな空きスペースに向かい移動していたのです。
足はないので年月をかけて地下茎を伸ばし、見事1m以上離れた場所に再びしっかりとした株になって現れました。
自分の足元で順調に育つエキナセアに脅威を感じ、新天地を目指したのでしょうか。
元々いた場所には数本のソープワートが復活し、エキナセアと混じり合いながら咲いています。
こちらは仲良く暮らす協定を結んだようです。
新天地組も今年は満足そうにたくさんの茎を伸ばし、花をたくさん咲かせました。
ただこの場所とて安心は出来ません。他の植物だって生きるのに必死です。
明るいグリーンに赤茶の茎がソープワート、左上のスッとした葉がアガパンサス、花はスカビオサオクロレウカ、それに加え割り込むようにある真ん中の掌状の葉は、隣の空き地から来たルピナスです。
(なんかもうカオス)
この場所はこのまま自然に任せたいと思います。
淘汰と共生を繰り返しながら、来年、再来年、そのまた先はどのような姿を見せてくれるのでしょうか。
楽しみに見守っていきたいと思います。
上手く友好関係を結ぶ事が出来ますように。