北のはしっこ惑星

北海道LOVEな道産子主婦が、花、自然、飼い猫、写真、その他何でも楽しむブログ

痛恨のミスと逞しきルピナス

初夏。

北海道の四季において一番ウキウキする季節かもしれません(※個人の感想です)

気温も日中は20℃以上の暖かい日が続き、明るい陽射しと湿気の少ないサラリとした空気。

早朝、薄く開けてある窓から聞こえる鳥や虫たちの声が朗らかです。

5月中旬、ジューンベリー満開

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前回、庭の話は次回に持ち越しますと言いました。

しかしその2週間ほどの間にも季節の移り変わりのスピードの早いこと早いこと!

北国の植物は短い期間で一気に芽吹いて育って咲いて、種や実をつけなければならないので忙しいのです。

あっという間に景色が変わってしまうので、タイミングを逸したものが出てきたりするのはどうぞご勘弁を…( ̄人 ̄)

 

 

まずはタイトルの件ですが、実はワタクシ、庭の雪が消えてややしばらくしてからとんでもないヤラカシをしたことに気が付きました。

 

最近のコロナウィルス騒動ですっかり忘却の彼方でしたが、先の2019〜2020の冬は記録的な少雪だったのを皆さま覚えてらっしゃいますでしょうか?

↓は今年の1/16に更新した私の記事を抜粋したものです

そうは言っても何とも雪の少ない今冬。

本来であれば市街地に比べ雪が格段に多い街はずれの我が家ですが、それでも感覚的には例年の半分以下です。

毎年この時期には庭の冬囲いの女竹が半分以上隠れてしまっていることが多いのに、バラなどの大きめ冬囲いはまだヒザ下程度。

冬囲いにヒザがあるかどうかの是非は別にして、経験したことがないほどの雪の少ない冬に驚いています。

家の前のスペースを除雪する時は、時期が進むにつれて庭の中にも雪を放り込むため余計にカサが増すのですが、今年は逆側の空き地に捨てるだけで済んでいるのでアッサリしたものです。

↓はその時の記事に、少ない庭の積雪量を示すために載せた写真です。

今年2020.1月半ばの玄関前、通路と庭の境目付近

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北海道では多くの地域で冬の間の枝折れや凍害を防ぐために、木やそれに準ずるような植物の周りに女竹を組んで補強し、モノによってネットやコモを巻く冬囲いを行います。

ナマケモノを自認する私でも、さすがにコレはやらないわけにはいきません。

特にバラは必須です。

 

同じ角度から撮っていないのでわかりにくいですが、↓2019の2月上旬の写真と比べてみるとまるで違うのがおわかりでしょうか。

前年の2019.2月上旬、私の胸のあたりの高さ

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1枚目(2020)の下半分、人間の長靴の跡とキツネの足跡の間の斜めラインの僅かな盛り上がりが、2枚目(2019)のそそり立った雪壁と同じくらいの位置です(屋根からの直接の落雪のほか、通路を除雪した雪の一部も投げ入れるため、自然に積もる積雪量よりは高くなっています)

通常、最終的に庭は雪にすっぽり埋れ、冬囲いの女竹の上部だけが見えるような状態になります。

 

それが今冬、小さなものはともかく、そこそこ背丈のある囲いは高さの1/3〜1/4を残し、とうとう全てが雪に覆われることはありませんでした。

しかし同時に屋根からの落雪も少なく、毎年ヤキモキする枝折れの心配はありません。

除雪もサックリ済むので、

「いやぁ〜、今年は雪が少な過ぎて気持ち悪いけど、色々ラクだね( ・`ω・´)b!」

そんな風に、少しばかり浮かれるくらいには楽な冬越しでした。

 

まさか春先、そのせいで

半日寝込むほどのショック

が待ち構えているなんて、その時は思ってもみなかったのです。

おおげさねぇ

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雪が少ないということは、雪解けも早いということ。

何につけ行動がトロい私は、大抵冬囲いを外すのも他の人より遅いのですが、今年は雪解けが早かったのでいつもより早いタイミングで冬囲いを外しました。

 

以下は私のTwitterですが、4/12に外したようですね。

いつもの年より間違いなく早い作業なのに、「ちょっと遅いか?」なんて、しかも〝笑〟の字までつけてハシャイでいるのが、このあと訪れる悲劇も知らず我ながら痛々しい。

そう、私はまだ気付いていなかったのです。

バラたちの異変を。

 

『ズボラでもエエじゃないかガーデニングを実践する私ですが、なんのかんのと庭の冬越しに関して決定的な失敗をしたことはありませんでした。

過去に一度、屋根からの落雪がギリ当たる場所に植えてしまったシャルロット・オースチンが落雪に圧迫され、メインの太枝とその他数本が枝折れしたことがあり、これが今までの最大の失敗でした(女竹の本数を増やして強度を上げることで解決)。

 

人にも地域にもよりますので一概には言えませんが、北海道のバラは基本、しっかりした剪定は春のみで良いと言われています。

秋はせいぜい、冬囲いの邪魔にならないようにとか雪面からなるべく枝先が出ないようにとか、そういった思惑で高さを調整する程度が多いかと思います。

私も冬の間の枝折れを警戒して、枝数を調整し過ぎないようにしていました。

兎にも角にも

「枝折れ」

そればかり気にして冬囲いをしていたのです。

 

今冬は雪が少なかったので、囲いを外しても予想通り枝折れしたものはありませんでした。

 

ただ、ちょっと気になったのは枝の色。

特に、

「クイーン・オブ・スウェーデン

2019夏

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アイスバーグ

2019夏

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このふたつ。

 

全体的に枝が黒っぽい気がするけど、毎年こんなものだっけ?

毎年のことなのに、冬囲いを外した時の状態をほとんど覚えていないという我がノーミソにビックリです。

 

イヤな感じですがとりあえず、明らかに生きていないとわかる部分のカットと軽い剪定をし、あとは枝についた小さな芽が膨らんでくるのを確認してからにしようと様子を見ることに。

 

 

冬囲いを外してから半月以上。

5月に入り、他のバラは緑色を保った枝からようやく葉が展開し始めましたが、待てど暮らせど、この二種類のバラの固い小さな芽はゆるむ気配もなく、茶色くシン…としたままです。

これは。。。( ꒪Д꒪)

よくよく確認すると、冬囲いを外した時に色は悪くても何となく生きてるように見えた枝すらも明らかに水分を失って、小さな芽も固まってしまっています。

しかも枝のほとんど全てが( ꒪Д꒪)

ここでようやく、私はバラがひどい凍害を受けていたことに気付きました。

 

何ともお粗末。

気付くのが遅過ぎる。

 

いや全くお恥ずかしい話です。

今までの冬は、すっぽりと暖かい雪の布団のおかげで厳寒地ながら凍害とはほぼ無縁でした。

それがまさか、今年こんなひどいありさまになってしまうなんて。

 

要因としては

  1. 少雪のため冬囲いをしてあっても例年のように雪の下にならず、寒風に耐えられなかった
  2. 雪解けが早かったため、いつもより半月ほど早めに冬囲いを外した(その後冷えた日や雪が降った日もアリ)
  3. その両方

 

北国で庭づくりをされる方にとってはお馴染みかもしれませんが、寒冷地で植物を育てるにあたり参考になるのが『ハーディネスゾーン』という指標です。

これはアメリカ農務省が平均最低気温で地域分けをし、植物がどのくらいの気温で戸外で越冬出来るかの耐寒性の目安を示したものです(気温以外の他条件は勘案されず)

日本でもその土地ごとに指標が適用され、旭川はソコソコ厳しいゾーンナンバー5となっています。

私が参考にしている本のひとつ『北海道のバラづくり(著者:工藤敏博氏)』北海道新聞社より

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園芸書によっては植物にゾーンナンバーの表示があるので、その数値が植えようとする土地のナンバー以下の数ならばザックリと、越冬は大丈夫でしょう、ということになります。

ただし数字はあくまでも目安ですので、積雪等の条件によっては多少ゾーンナンバーから外れた植物でも上手く育ったり、逆にゾーンナンバーにドストライクであっても生育イマイチ、ということもあるようです。

 

基本、植物を迎える時は地元の園芸店で耐寒性を確認して買うので、自分で上記のハーディネスゾーンと照らし合わせることはほとんどありません。

我が家のバラもお店で耐寒性を確認してから購入したものばかりです。

旭川はゾーン5という寒い土地ではありますが積雪による保温が期待出来るため、バラも種類を選び、しっかり対策すればこれまでは毎年問題なく越冬出来ていたのです。

そこに油断がありました。

同じく『北海道のバラづくり』より

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しかし今冬は記録的な少雪、今までは雪の恩恵で凍害が最小限で済んでいただけだったのだと、今更ながら厳しい自然環境を痛感することとなりました。

自分の力などちっぽけなもの。

厄介者とばかり思っていた雪に救われていたのですね。

 

 

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可愛いバラの枯死の可能性を突きつけられたショックで冷蔵庫に放置された大根のようにしおしおになった私は、とりあえず精神の安定を図るため半日寝込んで現実逃避。

のんのさんもスヤスヤ

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ひとときにせよ、全てを忘れることが出来る眠りは素晴らしい。

甘やかな眠りよ、ありがとう✨✨✨

zzz…

ZZZ………

………z………zz……

…………

 

フンガッ!!⊙ ⊙パチクリ

 

ひとしきり眠ったら、おお、何だかちょっと元気が出てきました。

え、反省が足りない?

だってもう、しゃあないじゃんねぇ?

 

数日後。

とりあえず枯死した枝の除去のため、剪定バサミとトップジンMペースト(枝の傷口に塗る殺菌剤)を握りしめ、いざ行かん。

まずは長年たいしたお世話をせずともたくさんの花を咲かせてくれる『クイーン・オブ・スウェーデンさんの元へ。

全体を見れば完全に立ち枯れた状態ですが…

デデン!!

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生 き て る よ

地際から数センチしかない緑色の箇所から、いくつかの赤い芽が伸び始めています。

さすが、「クイーン」の名前を持ちながら、そこらの庶民よりもたくましいのでは、と思うほど元気に繰り返し花を咲かせるクイーン・オブ・スウェーデンさんです。

 

放っておくと身長158cmの私とさほど変わらないほど大きくなってしまう彼女ですが、生きている部分だけを残して切っていきます。

ごめんね。

 

ふぬっ!

すっかり硬くなった太い枯枝は剪定バサミではなかなか根元から切れないので、ひとまず切れるところで切っておきます。

長い間庭の中で大きな存在だった彼女は硬くて切りきれなかった枯枝を含めても20cmほどの、まるで赤ちゃんのように小さくなってしまいました。

※切ないので写真は撮っていません。

周りのワスレナグサに、しばしその寂しい姿を隠してもらうことにいたしましょう。

少しでも栄養取られないようにワスレナグサ抜いた方がいいんじゃないの?

f:id:kapibara5168:20200606165838j:imageそうかもしれないけど、いいんだよ。。

 

次は、去年お迎えしたばかりの「アイスバーグ」です。

↑の記事に、このアイスバーグがどのような経緯でウチにやって来たのか詳細が書いてあるのですが、せっかくイジワルセレブオバサン(※個人の感想です)から守って連れ帰ったのに枯らしてしまったのなら、何て可哀想なことをしてしまったのかと暗澹たる思いでした。

 

実は凍害に気付く前、我が家で初めてのツルバラということで張り切ってオベリスクに誘引したのです(枯枝をw)。

枯枝が虚しく絡まるオベリスクも、気力がなくてそのままにしてあったのですが、良かった!

こちらも生きていてくれました。

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今年花が咲くはずだった枯枝を全て切り落とし、ほぼ「げんこつ剪定」に近い形にまで切り詰めました。

無事に生き延びられますように、と思いながら。

 

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さて、この子たちの現在ですが何とか頑張ってくれているようです。

「クイーン・オブ・スウェーデン

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周りのワスレナグサや切り残した枯枝などで見た目は悪いですが、かなりの復活具合です。

上から

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さすが超身体の丈夫な女王さま。

このまま何卒、健やかに。

 

アイスバーグ

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1本こっきりですが、こちらもしっかりした枝が伸びてきました。

この夏の花は期待出来ませんが、大事にしたいと思います。

 

私は自然を甘くみて、その油断から今回危うくふたつのバラを死なせてしまうところでした。

暮らしていく上では厄介で、荒れ狂えば生き物の命さえ容赦なく奪う恐ろしい雪は、自然の恵みでもあったことを改めて思い知らされました。

 

ここで自分への戒めを込めて、大好きな漫画ゴールデンカムイから、アイヌの教えをお借りしようと思います。

『カント オㇿワ ヤク サㇰ ノ アランケㇷ゚ シネㇷ゚ カ イサㇺ』

(天から役目なしに降ろされた物はひとつもない)

何の気なしに目にしていた言葉ですが、身に染みました。

 

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これからの季節、北海道はグイグイとスピードを上げながら短い夏を一気に駆け抜けます。

当ブログは庭の話のほか、北海道の景色やイベントの様子なども取り上げてきましたが、今年は各イベント・お祭りも軒並み中止、観光名所への訪問などもなかなか気楽に赴くことは難しそうです。

テーマが狭まってしまうのは少々寂しく、また取り止めのないおしゃべりが増えてしまうかもしれませんが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

 

では最後に。

私が手掛けたワケでも我が家の庭でもありませんが、我が家の周りで勝手に増え続けるルピナスを。

こちらに引っ越してくる前からこのあたりの空き地で(勝手に)繁殖しています。

とうとう我が家の庭にも一株侵入を許すw

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かなりの繁殖力なので、大抵は夏の草刈りの際に土地の持ち主によって刈られてしまうのですが、今年は我が家は隣りとの空き地にかかるルピナスを刈らずに残してみました。

そして昨日、草刈りにやって来た隣りの土地の持ち主。

残されたルピナスを見て空気を読んだらしく、自分の土地にあるぶんのルピナスを刈らずに残していってくれました。

気を遣わせてすみません。

 

ちょうど最盛期ですので、どうぞご覧あれ。

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